味方を掌握するコーチング

コーチングの達人になれ!

ボランチはフィールドの中央からやや後方に位置するので全体を見渡しことができるポジションである。FWやサイド、DFラインとのちょうど中間になるので、声によるコーチングが比較的しやすい。前線からプレスをかけている選手は、自分の後ろの状況はわからない。そこで後方にいるボランチから具体的な指示を出す。「寄せろ!」「パスコースをつぶせ!」「スペースを空けるな!」などで全体を引き締める。優れたコーチングのできるボランチがいると、前線の選手は迷うことなくプレッシャーをかけることができるので、結果、守りやすくなる。

チームの中心である自覚

ボールをどこで奪うかは、あらかじめチーム内で決めておく必要がある。
通常は相手をサイドに追い込んでいくことがベターなやり方だ。MFがサイドバックと連動して、狭いところに追いやり、奪い取る。

ただし、チーム戦術によってはあえて中央に相手を誘導するケースもある。サイドよりも中央のほうが、ボールを奪ったあとの攻撃がスムーズだからだ。ボランチにボール奪取力と展開力のある選手がいれば、この戦法を使ったほうが攻守の切り替えをスピードアップできる。

具体的にはFWが相手のDFラインにプレスをかけ、サイドにボールを回させる。その後サイドの中盤の選手が縦パスのコースを消しながら寄せていき、相手が中央にパスを出したところをボランチが前に出て行ってボールを奪う。

どれだけ守備に定評があるボランチでも、1人の個々の能力に任せてボールを奪い取るのは困難だ。他の選手をコーチングで動かすことによって、自分がボールを奪える状況を作る。

ボランチはチームの中心であるという自覚を持ち、積極的に周りを動かし、リーダーシップをとる責務がある。