ボランチとは
ボランチ。
ポルトガル語で「(車の)ハンドル、舵」。
サッカーにおけるポジションの役割はハンドルや舵を切るように、チームを操ることに由来すると言われている。
チームの中央に位置し、攻撃では起点となり、効果的なパス出しや展開、隙あらばゴール前にも出ていき、フィニッシュにも絡む。
守備ではディフェンスラインの前に位置し、敵のアタックに対するフィルター、視野を広く保ち、味方のポジショニングの指示を出す。
時には汚れ役も率先してやる。
カテゴリーとしてはMFではあるが、すべてのポジションの中で最も忙しいといっても過言ではない。
それはフィジカルだけでなく、メンタル面もタフなのである。
文字通りチームの中心なのでキャプテンを任させることが多いポジションでもある。
本当に大変なポジションなのだ。
やりがいの塊のようなポジション
ボランチは忙しい、しんどい、大変。
そのうえ、サッカーの華であるゴールを決めることなどはまれ。
FWや攻撃的MFほどクローズアップされることもなく、GKのようにスーパーセーブで脚光を浴びることもない。
傍からみれば、気の毒なポジションだ。縁の下の力持ちのような存在だ。
だが、やりがいは最高だ。
このポジションほど、与えられて誉れ高いポジションはないと感じる。
攻撃、守備。ここまでチームに濃密に関与できるポジションはないからだ。
野球でいう捕手に近いところがあるかもしれない。
捕手も投手と比べるとかなり地味な印象がある。
野球中継でも投手にカメラが向くと当然、捕手は背中側しか映らない。
超一流の捕手がいう。
「これほど大変なポジションはない。しかし、これほど楽しいポジションもない」と。
それに近いことがボランチにもある。
チームが勝利したとき、観客は得点を取ったFWをもてはやすかもしれない。
だが、ボランチとして勝利に貢献したときの達成感はすさまじいものだ。
高揚感で震えがくる。
ボランチが大変なポジションであるからこそ、そんな幸福感を体感できるんだ。
な?やみつきになるだろう?