冒頭10分は相手を観察せよ
サッカーにおける冒頭10分はプレイヤー、取り分けボランチにとっては試合時間中、
最も重要な時間帯だといっても過言ではない。
この10分間で相手をよく「観察」するのだ。
ボランチが相手チームを観察し、
相手のコンディションの状態、誰がキーマンか、
どのような個性のチームかということを情報収集し、
その情報をもとに素早く判断し、チームを正しく導いていくことが重要になる。
何度も繰り返すようだが、ボランチは攻守の要であり、司令塔であり、
ディフェンスでも味方を動かす、戦国時代でいう将軍だ。
プロのチームならスコアラーなどの偵察部隊がいて、
スカウティングレポートなどを使い、厳しい目で相手を分析してくれる。
だが、小学校のクラブレベル、中学校・高校の部活レベルだと、
相当な強豪チームでない限り、それは難しいだろう。
仮にそれができたとしても、当日ピッチレベルで肌で感じるもの比べたら、
データなど参考にならない場合も多々ある。
ピッチでしか感じられないことを、ボランチが観察し、判断し、チーム全体に伝えないといけない。
具体的に何を見るか
まずはシステムの観察だ。
相手の各ポジションに対し、自チーム各選手のマークがずれないかどうか。
敵チーム4-4-2システムに対し、こちらは4-5-1。
まず、中盤の数がちがう。それにより数的不利・有利が生まれないよう、
味方にマークの確認、受け渡しをどうするかなどしておく必要があるだろう。
次に相手の攻撃パターンどうかということ。
中央を主に突破してくるのか、サイドからのオーバーラップは積極的か、
中盤のキーマンは誰なのかなど意識して見ておく必要がある。
それを知るだけで守備のしやすさは段違いだ。
基本守備はゴール正面などの中央重視だが、サイドをつぶすことによって、
相手の攻撃リズムを崩せるのであれば、積極的にアプローチしていくべきだろう。
最後に相手の守備が開始はどこかということ。
相手フォワードが積極的にプレスしてくるか、全体的に様子見をしていて引き気味なのかなど
守備の特性を見極める。
序盤から、相手フォワードのプレスが積極的な場合は球離れを早くする、
キーパーや最終ラインへの不用意なバックパスは控えようなど、
味方にアドバイスができる。
ボランチのポジションからは全体が良く見える。
ボールのみ集中するのではなく、相手のポジションや特性にも目を光らせることで、
ゲーム全体を支配することができる。